メンタルの不調は食事で改善できる?メンタル不調の原因と改善できる食べ物

現在の日本では、5年に1人は一生に一度は心の病にかかると言われています。
病気とまではいかなくても、「何となく気力がない」「心がつかれている」と感じたことがあるという方は多くいるのではないでしょうか?

そのような状態だと生活をしていてもつらいと感じることが多くなり、早くこの状態から抜け出したいと思うでしょう。
そんな時にぜひ気を付けてほしいのが「食事」です。
実はメンタルの不調は食事によって改善することができると言われているのです。そこで今回は、メンタルの不調の原因と改善するための食事方法について具体的に見ていきましょう。

メンタル不調の原因

では、メンタルの不調はどのような原因によって起こるのでしょうか?
人によって異なりますが、ここでは主な原因について見ていきましょう。

体の疲れ

メンタルの不調は精神的なことが問題だと思っている方が多いですが、実は体の疲れがメンタルに影響していることも多くあります
体に疲労感を感じている時には、自分の思ったように行動することができません。そのような状態で無理をしていると、心にもストレスがかかってしまいます。

特に長時間労働などが続いている方の場合、睡眠時間も短くなってしまって脳の疲労も体の疲労もとれずに活動を行うことになるため、体の疲れからメンタルの不調が発症するケースも多くあるようです。

対人関係

人がストレスを感じる原因の大半は、対人関係だと言われています。
人は1人では生きていけないので、毎日多くの方と関わって過ごす必要があります。
そのため、その関係性でストレスを感じて我慢を続けた結果、メンタルの不調となってしまうことが多くあるようです。

特に近年はさまざまな電子機器の進歩により、家にいながら多くの情報を得ることができる環境となっているので、余計にストレスが溜まりやすくなっているようです。

ストレスを感じやすい

人によっては、周りの人よりもストレスを感じやすいという方も多くいます。
そのような方の場合、他の人よりもストレスが溜まりやすいので、普段の生活の中でメンタルの不調を訴える方もいるようです。

自分がストレスを溜めやすい性格だと思う方の場合、注意が必要でしょう。

ストレスを対処できていない

ストレスが溜まる環境にいる方でも、普段の生活でしっかりとストレスを解消することができていれば、メンタルに問題をきたすことはありません。
しかし、たまったストレスを対処することができなければ、ストレスが上塗りされていく一方です。

そのストレスがいっぱいになった際に、爆発するようにメンタルの不調が多く出るようです。

季節の変わり目

季節が変わるタイミングでも、メンタルの不調が出てしまうことがあります。
季節の変わり目には気圧や気温が大きく変動するため、自律神経が乱れやすくなります。

そのため、体調に変化が出たり、メンタルが落ち込みやすくなります。
季節が変わる際には、注意しておいた方がよいでしょう。

メンタルが不調な時に出る症状

では、メンタルが不調の時にはどのような症状が出るのでしょうか?

睡眠障害

メンタルに不調が出ると、ベットに入っても寝付けなくなってしまったり寝ても寝ても眠い状態が続くということが増えるでしょう。
そのような場合には、メンタルに何かしらの不調が起きていることが考えられます。

感情が落ち込みやすい

普段は何も感じないことでも、メンタルに不調が出ている時にはすぐに落ち込んでしまったり、悲しい気持ちになってしまうことがあります。
その状態に陥るとなかなか抜け出せなくなってしまうため、体も心も疲れやすくなってしまうでしょう。

考えがまとまらなくなる

メンタルに不調が出ていると、頭の中にさまざまな考えが浮かんできます。
それをうまく整理することができなくなってしまい、考えがまとまらなくなってしまうこともあります。

メンタル不調を食事で改善できる理由

メンタルが不調な時には、早く改善して元の自分の状態に戻したいと思いますよね。
そんな時には、「食事」が有効だと言われています。
そこでここからは、メンタルの不調を食事で改善できる理由についてご紹介していきます。

メンタルの落ち込みは脳エネルギーの欠乏

メンタルが落ち込んでしまう理由は、脳のエネルギーが欠乏していることが影響していると言われています。
脳のエネルギーが足りなくなってしまうと、体全体にトラブルが発生してしまったり、憂鬱な気分が続くということになりかねません。

通常、人間には自然治癒力が備わっているので、さまざまな不具合を回復させてくれますが、脳のエネルギーが欠乏してしまうと回復力が弱くなってしまい、なかなか改善することができないのです。

コレステロールが低い

これまでの医学研究では、血清コレステロール値が低い方の場合は抑うつ度が高いことが分かっています。
これまではコレステロールは悪いものというイメージが強くありました。

しかし、実は脳の60%は脂質でできており、その50%程度はコレステロールとなっているため、コレステロール値が下がることによって脳が思うように働かずに、メンタルの不調が発生してしまうことが多くあるようです。

メンタル不調の改善に有効な食事

では、メンタルに不調を感じている時にはどのような食事をとった方がよいのでしょうか?
そこでここからは、ぜひ摂取しておきたい食品について見ていきましょう。

タンパク質

タンパク質はストレスを防御してくれるホルモンを生成するのに必要な栄養素です。
その上、私たちの筋肉や髪、皮膚などはタンパク質によって形成されています。

そのため、しっかりとタンパク質をとっておくことによって、心の不調も体の不調も改善することが可能となっています。
タンパク質が豊富に含まれているのは、肉や魚、大豆製品となっています。
比較的手軽にとることができるので、普段から意識して摂取することをおすすめします。

コレステロール

コレステロールは肥満の原因というイメージがある方は多いと思いますが、脳のエネルギー源となるので、メンタルの不調を改善するために必要な栄養素と言われています。

もちろん食べすぎはよくありませんが、一定量は摂取しておく必要があります。
コレステロールをとるのに最もよいのは、「卵」です。

卵には良質な脂質とタンパク質が含まれている上に、抗うつを改善してくれるセロトニンというホルモンを作るのに必要となる「トリプトファン」が豊富に含まれています。このことから、バランスのよい食品だと人気があります。

塩分

ストレスがかかった状態になると、体に必要な量のナトリウムを維持することができなくなってしまいます。
体の中がナトリウム不足となってしまうと、フラフラしてしまったりメンタルが落ちてしまう可能性があります。

そのため、一定量の塩分を摂取しておくことは重要だと言えます。
しかし、血圧が高い方の場合は塩分を制限しなければいけないこともあります。
病院で血圧が高いことから、減塩をするように言われている方であれば、一度医師に相談してから食事を変えた方がよいでしょう。

野菜

野菜には、多くのビタミンB群が含まれています。
ビタミンB群は頭の働きに大きな影響を及ぼすと言われています。

その上、野菜に含まれるビタミンCは体のダメージを修復したり、ストレス耐性を高める効能があります。
そのため、タンパク質等に加えてさまざまな種類の野菜を摂取することが重要です。

メンタルが不調な時に避けたい食べ物

メンタルが不調な時に食べることによって、その状態を改善することができる食べ物は多数あります。
しかし、その反対に食べない方がよい食べ物もあります。
このような食べ物ばかり食べていると、状態が悪化してしまう可能性があるため、注意しておきましょう。

カフェインが豊富な飲み物

コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインが豊富に含まれている飲み物を飲むと、気持ちや集中力を高めることができます。
しかし、この効能は一時的なもので、その分の疲労感は後で体に出てきてしまいます。

そのことにより、ホルモンバランスが乱れて心にも支障をきたすことがあるのです。
そのため、毎日大量に飲むといった行為は避けておいた方がよいでしょう。

甘いもの

甘いお菓子やジュースは、メンタルに不調が出ている時に無性に欲するという方は多くいます。
しかし、あまりにも多くの量をとりすぎてしまうと、疲れやすくなったりストレスを感じやすい体になってしまう可能性があります。

そのような状態になると、ますます甘いものを食べたくなってしまい、体にも影響を及ぼすことがあります。
もちろん全く食べてはいけないということではありませんが、量は控えてより質の高いものを少しだけ食べるようにしましょう。

主食ばかりの献立

栄養バランスの悪い食事ばかりとっていると、体も心も疲れやすくなってしまいます。
そのため、普段から栄養バランスはしっかりと考えて献立を立てる必要があるでしょう。

特に主食ばかりの献立を食べていると、体にも心にも負担が大きくなってしまいます。
ラーメンなどの麺類を食べる時には、付け合わせを用意しておくとよいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?メンタルの不調はさまざまな原因によって引き起こされます。
不調が出ている時には、普段のような活発な行動を行うことができず、落ち込みやすくなってしまいます。
そのため、より早めに対処することが重要です。

私たちの心と体は密接に関連しているため、食事によってメンタルは左右されます。
普段から自分の体に必要な栄養素をバランスよく摂取することによって、より安定した精神状態を作り出すことができるので、献立を立てる時には意識して行うようにしておきましょう。
まずは今の自分の日常で食べているものを見直してみてくださいね。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰