更年期の睡眠トラブルの悩みを解消する食事方法

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

質の良い睡眠は毎日の疲れを癒やし、寝ている間にも身体の作りかえを行ったり、脳の中でも情報や感情を整理してくれています。スッキリ目覚めることができると、1日のパフォーマンスが上がります。睡眠の質にも食事のとり方や栄養が関わっているので、ぜひ読んでみてください。

眠りの悩みにもいろいろある

  • 寝つきが悪い
  • 眠いのに眠れない
  • 夜中に目が覚める
  • 悪夢を見る
  • 寝汗をかく
  • 早朝に目が覚める
  • 寝ても寝た気がしない
  • 歯ぎしりをしている
  • 睡眠時無呼吸症候群かもしれない
  • 朝起きた時に疲労感がある
  • 朝起きるのがつらい

眠りの悩みは人によって様々です。質の良い睡眠がとりたくても、思うようにいかないことが多く、睡眠導入剤を処方してもらう方もいらっしゃいます。しっかりと眠れなければ、徐々に体や心が疲弊してしまいます。
理想の睡眠時間は6~8時間と言われていますが、個人差も大きいです。時間は確保できても眠りの質が良くなければ、「寝たのに寝た気がしない」ということもあります。

質の良い睡眠をとるための4つのポイント

質の良い眠りのために、まずは生活習慣と食習慣・環境を整えていきましょう。

  • 生活リズムを整える(起床や就寝時間、朝日を浴びる、入浴、昼寝など)
  • スマホやパソコン・テレビなどのブルーライト対策をする
  • 食事や飲み物のとり方を工夫する
  • 環境を整える(寝具や室温、明るさなど)

睡眠に関係する食べもの・飲みもの

カフェインと眠りの関係

眠り対策のために、はじめに見直してほしいのはカフェインです。コーヒーや紅茶などのカフェインが眠気覚ましになることは広く知られています。カフェインをとることで交感神経の働きが活発になり、脳が覚醒してしまうため、疲れていても眠くならないということが起きます。また、カフェインを飲んでも眠れたとしても眠りの質は落ちてしまいます。

カフェインをとってから身体の中から尿に排出されるには時間がかかり、半減するには8時ほどかかることがわかっています。午後から飲んだ場合は夜眠る時に影響があるため、午後のカフェインは控えることをおすすめします。

今はノンカフェインのコーヒーや紅茶も増えているので、どうしても飲みたい方はノンカフェイン(デカフェ)に変更してみるところからやってみましょう。
何気なく飲んでいる緑茶やほうじ茶にもカフェインが含まれているので気をつけましょう。

眠りのホルモンの材料になる栄養素

眠りのホルモン【メラトニン】は脳内で作られますが、主原料となるのはタンパク質です。普段の食事の中で、肉や魚介類・卵・豆や豆腐などをしっかりとるようにしましょう。


メラトニンを作るときには、鉄・マグネシウム、ビタミンB群のB6・葉酸なども必要になります。これらは不足しやすいビタミン・ミネラルなので意識してとっていきましょう。

鉄・マグネシウム・B6はタンパク質に多く含まれています。葉酸は葉物など緑の野菜に多いと覚えましょう。

また、メラトニンの分泌には体の24時間のリズム(サーカディアンリズム)が関わっていて、日光を浴びることでリズムが作られます。

朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、メラトニンの分泌が止まります。メラトニンは起きてから15時間くらいで分泌されはじめ、身体の深部の体温が下がってくることによって眠気を感じるようになります。


朝日を浴びることと、夜に強い光を浴びないようにすることが、自然な眠気を誘うポイントになります。スマホやテレビ、パソコンなどを夜遅くまで見ているとブルーライトの影響でメラトニンの分泌が低下するので対策しましょう。

糖質をとり過ぎたり、減らしすぎると睡眠の質が落ちやすい

寝ている間に血糖コントロールがうまくできないと、血糖値を維持しようとして眠っている間にも交感神経ホルモン(緊張・闘い・興奮のホルモンのアドレナリン)が出てしまい、寝ているのに身体が緊張状態になって、朝起きた時の疲労感や肩こり・腰痛、歯ぎしり、夜間覚醒、寝汗などを起こしやすくなります。

日中に糖質を多くとって血糖値の乱高下があれば夜間にも影響しますし、夕食の糖質を極端に減らしてしまったり、夕食から寝るまでの時間が長い、その他、筋肉量が少ない、肝機能の低下、ビタミンB6の不足などがあると、寝ている間の血糖値を維持できなくなり、交感神経ホルモンが使われます。

日中の血糖値急上昇があると、夜間も血糖コントロール不良になります。一度にたくさんの糖質をとらないように気をつけていきましょう。

睡眠の質を良くするためには、日中に糖質を一度に多くとり過ぎない、夕食の糖質をゼロにしない、夕食から寝るまでの時間が長いなら補食をとるのもおすすめです。

まとめ

睡眠には様々なことが関連していますが、食事や飲み物のとり方によっても影響が出やすいです。カフェインと過剰な糖質(ジュース・アイス・お菓子など)をまずは見直し、眠りのホルモンの材料になるタンパク質(肉・魚・卵・豆)・ビタミン・ミネラルをしっかりとれるような食材をセレクトしていきましょう。
朝の光を浴びるのと、ついつい遅くまで触ってしまうスマホにはブルーライト対策を。

睡眠トラブルが続くと疲れが溜まり、不調やメンタルにも影響が出てきてしまうので、心地よく眠れるようにできることから対策していきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰