更年期の止まらないイライラ 食事が原因かも?

管理栄養士のひびようこ です。(@youkohibi)
更年期にさしかかり、ささいなことでイライラして感情のコントロールがうまくできなくなってきたと感じる人はとても多いです。食事の見直しでコントロールできることもあるので、一度見直すことをおすすめします。

更年期に多いイライラ

  • 最近ずっとイライラしている
  • 前は気にならなかったことでイラっとする
  • 焦りを感じる
  • 怒りを我慢できず、態度や言葉に出してしまう
  • 怒った後に後悔して落ち込む

自分でも感情のコントロールが難しいと感じることはありませんか?

更年期は子育てや家事、仕事、自分の体調、夫婦関係、介護、人間関係など役割も多く忙しく、ストレスも多い時期です。イライラを放っておくと、ストレスがさらにたまり自律神経のバランスを崩したり、うつ病になってしまうこともあります。

イライラの原因

更年期にはいろいろな不調が現れてきますが、イライラにも女性ホルモンの減少が関係しています。それに加え、もともとの性格や考え方、ストレスの多さも影響してきます。

女性ホルモンのエストロゲンは20~30代で分泌が多く、40代から減少していき、60代以降はほとんど分泌されなくなります。エストロゲンは脳の指令によって卵巣から分泌されますが、卵巣のはたらきが衰えてくるとエストロゲンが分泌されたりされなかったり、ゆらぐ時期が更年期に当たります。

早い人では30代から減少することも。

幸せホルモンとも呼ばれる脳の神経伝達物質セロトニンがうまく作れないことも、イライラの原因になります。セロトニンを作るには材料としてタンパク質や鉄、ビタミンB群が必要です。これらの栄養が不足していると脳の神経伝達物質がうまく作れず、メンタルにも影響が出てきやすくなります。

加えて、血糖値の乱高下があるとイライラしやすくなったり、不安感が強くなる、パニック症状を起こすことがあります。血糖値を急上昇させる糖質を一度に多くとることによって乱高下が起きやすくなります。

イライラしない 心が穏やかになる食べ方とは

  1. 一度に多く糖質をとらないようにする
  2. タンパク質(肉・魚・卵・豆製品)をとる
  3. 食間に補食をとる
  4. カフェインを控える

糖質を多くとることで血糖値が乱高下し、イライラしやすくなるため、一度に食べる糖質量に気をつけます。砂糖や果糖ブドウ糖液糖などの甘味料、小麦粉などは吸収しやすく血糖値を急上昇させやすいので要注意。

糖質を多くとっていると、どうしても割合的にタンパク質の量が少なくなってしまうため、おかずを中心に意識して食べるようにします。

例えば、ラーメンを食べるとすると、麺の量は多いですが具材は卵とチャーシューのみです。パンやおにぎりなどを食べる時も、具材は少しは入っていますがほぼ糖質です。

丼ものや、買ってくる弁当などもごはんの量が多いのでタンパク質より糖質が多く血糖値が急上昇しやすい。

逆に、空腹時間が長くなった場合にも、血糖値を維持するために交感神経を優位にするホルモンが出てしまい緊張感やイライラにつながりやすいです。間食として、3食でとりきれないタンパク質や、食物繊維を含む糖質を少量とるのもおすすめです。

さらに、カフェインをとることで交感神経を優位にするホルモンが出て、緊張感やイライラにつながりやすいということもあります。よく飲むお茶やドリンクにカフェインが含まれているかもしれないのでチェックしましょう。

まとめ

イライラしている自分を止められない、自分でもコントロールできない、周りに八つ当たりしてしまう。
本当はイライラしたくないし、イライラしている自分は嫌だなと感じたり、後から自己嫌悪になったり、もどかしく辛い思いを抱えているかもしれません。

イライラの原因には女性ホルモンの減少も関係していますが、血糖値の乱高下やタンパク質の不足、カフェインなど、食事や飲み物の影響も少なからずあります。

「更年期だから」とあきらめず、まずは食事の内容を見直してみましょう。イライラだけでなく、不安感や憂うつ・焦燥感・やる気が出ない・くよくよする など心の状態と食事・栄養はリンクしています。メンタルが安定していると、ほっとして楽になります。自分の心を守る食べ方を身につけていきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰