管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)
40代からは、「もとに戻さなきゃ」「痩せなきゃ」と思いながらも少しずつ増えてしまった体重が、いよいよ「本当にやばい」と焦りに変わってくる頃です。
ここであきらめるのか、今から取り組むかで、見た目の美しさだけでなく、身体の不調や生活習慣病のリスクにも大きく関わってきます。
英語でダイエット【diet】は、食習慣・食生活のことを言います。日本語では体重を減らす活動や行動のことを言うのでニュアンスが全く違います。
ぜひ健康的な食習慣を身に着け、自分で体重と体調管理ができるようになりましょう。
見た目より体脂肪が多い 隠れ肥満かも?
見た目は痩せていても、実は体脂肪率がとても高かったり、肝臓に脂肪が多く蓄積する脂肪肝の状態になっている場合もあります。脂肪肝はお酒を多く飲む男性がなるイメージがあるかもしれませんが、近年ではそれ以外の原因でも脂肪肝になることがわかってきました。
肝臓は大事な臓器なので、脂肪が溜まることで体内のはたらきがうまくいかずに不調の原因になることも考えられます。
単純に痩せている・太っているかでは「健康かどうか」そして、「身体に必要な栄養が十分に足りているかどうか」はわからないのです。
体脂肪には、内臓脂肪と皮下脂肪があります。内臓脂肪は「つきやすく、落としやすい」、男性や閉経後の女性で増えやすいです。皮下脂肪は、皮ふと筋肉の間につく脂肪で「つきにくいが落としにくい」、女性につきやすい脂肪です。女性は子宮やお腹の赤ちゃんを守るため、冷えから身を守ったり、エネルギーを蓄えておくための機能として皮下脂肪がつきやすいと考えられています。
現代の日本人は痩せ思考ですから、必要以上に痩せを意識している方も多いです。世の中の情報もいかに痩せるかという商品や情報で溢れています。そうしたダイエット情報を鵜呑みにしていると、かえって体脂肪が増加したり、体調を崩すことがあるかもしれません。更年期世代は自分にとっての適正体重・適度な筋肉・体脂肪を維持することが大切です。
お腹周りやおしりから、少しずつおばさん体型に近づいているかも
いつの間にか定着してしまった脂肪。40代は下腹部ぽっこりや、お尻と太ももの境界線がなくなってたるむなどが顕著に体型に現れてきます。その他、背中や二の腕、顎など、自分でもわからないくらい、じわじわとおばさん体型に近づいているかもしれません。
運動習慣がなければ筋肉が衰えてくるため、体脂肪が増えても燃焼しにくくなります。体脂肪をエネルギーとして使うにしてもビタミンやミネラルなどの栄養素が必要になってきます。
食べる量を減らすダイエットでは、身体に必要な栄養素が十分にとれないため、体脂肪燃焼とはほど遠くなってしまうということです。
40代から体脂肪を減らすには?
食事量を減らすと逆効果
ダイエットと聞くと「食事制限」を思い浮かべる方がほとんどです。甘いものやお菓子はダメ、肉や卵はダメ、カロリーの高いものはダメ、油はダメ、などダメダメ尽くしです。
最近では、タンパク質の重要性が広まってきているのでプロテインを飲んでいる方も増えました。鶏のささみや胸肉は低脂質だから良い、糖質はなるべく控える、野菜は多く、玄米など食物繊維の多いものや発酵食品をとるなども、ダイエットのイメージにあるかもしれません。
「ダメダメ尽くし+ヘルシーな食べ方の組み合わせをずっとしなければいけない」と思うとダイエットは辛いものになってしまいます。
タンパク質を食材からとる
プロテインを飲んでも、食材のようにビタミンやミネラルが含まれていません。(添加されていたとしても極少量なことが多いです)できるだけ、生鮮食品の肉・魚介類・卵・豆・豆製品を食べることをおすすめします。加工されると栄養素は減ってしまうことを覚えておいてください。練り物やハムなど加工肉もタンパク質食品ですがメインにはなりません。
そして食事をプロテインだけで済ませないようにしましょう。置き換えダイエットなどの商品には気をつけます。プロテインはあくまでも補助として活用し、食事+プロテインでとってください。
糖質をとりすぎない
タンパク質のおかずが少ないと、つい糖質メインのものになってしまいがちです。おかずでタンパク質+野菜をしっかりとり、糖質を控えるようにします。特にパンや麺類の小麦粉には気をつけます。糖質+糖質と重ねて食べないように気をつけます。
ビタミン・ミネラルをしっかりとる
ビタミンやミネラルはタンパク質(肉・魚介類・卵・豆類)に多く含まれています。野菜や海藻・きのこ・芋・果物類にももちろん含まれていますが基本はタンパク質です。
糖質を多く取っていると、ビタミン・ミネラルの消耗が多くなり尿中に排泄されてしまいます。また、カフェインや飲酒もビタミン・ミネラルの喪失につながるので気をつけましょう。サプリメントを活用するのもおすすめです。(※サプリメントは何をどのくらいとるのかなど慎重に選択しましょう。個人輸入の商品や容量を多くとることには注意が必要です。)
運動はかんたんでいい
「運動をしましょう」というと何をイメージしますか?外でウォーキングや、走りに行ったり、ジムで筋トレ、YouTube動画を見ながら運動などをしようとすると、いきなりハードルが高すぎるので簡単なものから始めてみましょう。
おすすめは、食直後に踏み台昇降5分や、スクワットをゆっくり10回など、極簡単なものです。食べた後に少し動くことを習慣にしていきましょう。食直後に動くと、食事から糖質で上がった血糖値が少し落ち着くとも言われています。食べすぎちゃった!という時は、すぐに運動を心がけてみてください。
睡眠はしっかりとる
睡眠不足があると、食欲を抑えるホルモンのレプチンが減少して、食欲を増進させるグレリンというホルモンが増加するそうです。
また、睡眠時間が短いと、塩気の強いものや糖質を欲するという傾向もあるそうです。夕食後から睡眠までの時間が長いとお腹がすいてきますが、お菓子やカップ麺などの糖質を食べてしまうと体重が増えやすいです。
空腹で眠るのも血糖値の維持の面から身体に負担がかかるので、夜食をとるなら補食としてタンパク質と少量の糖質をとれると良いでしょう。
例えば、温泉卵と小さいおにぎり、プロテインドリンクや豆乳に少量はちみつ など。
※注意:はちみつをたくさん摂るのをおすすめしているわけではありません。
眠りについてはこちらもチェックしてみてください。
まとめ
更年期世代は自分にとっての適正体重・適度な筋肉・体脂肪を維持することが大切です。20代の若い頃に戻ることはできませんが、今からでも改めて自分の身体を作ることはできます。私たちの身体はすべて、食べたものからできているからです。
まずは今日の食事から、プレ更年期からも元気で体力があり、仕事も家事・育児もプライベートも充実した生活スタイルを一歩ずつ身につけていきましょう。継続することで、体調や体型、美容面でも変化を作っていきましょう。
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