管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)
更年期で一番多い悩みが疲労感・倦怠感なのだそうです。(日本女性医学学会 女性医学ガイドブックより)
日々の疲れが溜まっていけば、やがて生活に支障が出てきたり、楽しみなことでも億劫になってしまうかもしれません。
食事のとり方次第では、疲労の解消にもなったり、逆に疲労が溜まりやすくなるということもあります。まずは毎日の食事から見直していきましょう。
慢性的な疲れとは
- すぐに疲れてしまう
- 前より体力が落ちた
- 寝ても寝ても眠い
- 寝たのに疲労が残っている
- 朝起きられない
- やる気が出ない
- 何にもしたくない
- 横になっていたい
- 夕方横になりたい
- 倒れるように寝てしまう
- 家事もままならない
- 外出したくない
疲労が強く、気力体力ともに落ちてしまうと日常生活を送ることができなくなってしまうこともあります。ひどくなると慢性疲労症候群と診断されることもあります。
多くの人は疲れが溜まっていてもなんとか日常生活を送り、少し無理をしながら頑張っている状態だと思います。忙しく時間に追われていると自分のケアも後回しにしがちです。疲労回復のためのドリンク剤やサプリメントを飲まれている人は要注意です。
疲れを溜めてしまう食べ方
知らず知らずのうちに、疲労を溜めやすい食習慣になっているかもしれません。こんな習慣がある方はどうしても疲れやすくなってしまうので、チェックしてみましょう。
- コーヒーや紅茶、緑茶などをよく飲む
- 朝は食欲がないのでコーヒーのみ、またはパン+コーヒーなど軽く済ませる
- パンや麺類を食べることが多い
- スイーツが好き
- 甘い飲み物やアイスが好き
- フルーツは積極的にとるようにしている
- 小食
- お肉は胃もたれするので控えている(または太るので控えめにしている)
疲れを軽減させる食べ方のポイント
カフェインを控える
疲れた時に飲むお茶はホッとさせてくれますし、カフェでゆっくりするのも癒しの時間になります。しかし、コーヒーや紅茶、合間に飲んでいる緑茶やほうじ茶などにもカフェインが多く含まれています。
カフェインをとると、交感神経のホルモンの働きで興奮・緊張の状態になるため、疲れている状態でもシャキっとしてなんとか頑張ることができます。
1日の中で何度もコーヒーが飲みたくなる、1日を通して緑茶やほうじ茶をペットボトルで飲んでいる場合は常にドーピングしている状態とも言えます。
コーヒー・紅茶よりもさらに多くのカフェインが含まれているドリンク剤やエナジードリンク類も、その日だけは乗り切れるかもしれませんが、身体に負担が大きいので控えるようにしましょう。
カフェインには依存性もあるため、日常的に飲んでいる方は回数を減らしながら、徐々に控えていくことをおすすめします。風味は同じでもカフェインレスの商品も増えているので試してみてください。飲み物で一番おすすめなのは水です。人の身体の60%は水ですから、お水を飲むようにしましょう。また、カフェインレスでもおいしいお茶があるので好みのものを探してみましょう。
糖質をとりすぎないようにする
甘いものが好きでお菓子や飲み物・アイスなどをよく食べる女性は多いです。食事の中でもパンやパスタ・うどんなどの麺類、お寿司や丼ものなど、炭水化物メインの食事をしていると、糖質が過剰になり血糖値の乱高下が起きて、身体を疲れさせる要因になります。
タンパク質をしっかりとる
タンパク質は私たちの身体をつくっています。肉・魚貝類・卵・豆類を食事でしっかりとるようにしましょう。パンや麺・丼ものなど糖質の多い食事をしていると、タンパク質の割合が少なくなってしまいます。
女性の1日のタンパク質推奨量は50gとなっています。18歳から高齢者まで身体を維持していくためには同じ量が必要です。
(日本人の食事摂取基準2020年版より 生活活動強度Ⅱの場合)
タンパク質を50gとるには何をどのくらい食べたら良いでしょう。3食で分けて食べるとすると、1食の目安は17gになります。
1食に17gのタンパク質をとろうと思うと、メインの肉や魚だけでは足りないことがわかります。メインに+1品タンパク質をとるようにしましょう。
朝食を抜かない
朝食を抜くと、昼食時に血糖値が急上昇してしまいます。パンだけ、パンとコーヒーのみなどでなく、朝もタンパク質をとるようにしましょう。目玉焼きやスクランブルエッグなど、ささっと作れる卵料理がおすすめです。
タンパク質は女性では1日50gはとりたいので、まずは朝食で卵1個(タンパク質6g)は最低限とるようにしましょう。
睡眠
食事の他には生活習慣も大事です。特に睡眠は疲労を解消するために充分とる必要があります。眠りの質にも疲労解消の食べ方が役立ちます。
- 寝つきが悪い場合は、カフェインをやめてみる
- ふとんに入る時間を決める
- 早く寝る日を週に1回でもつくる
- 夜間の低血糖が起きないように、寝る前に補食をとっておく
- 寝る前はスマホやパソコンの画面を見ない(対策する)
身体をゆるめる
身体と心をゆるめる時間も作っていきましょう。意識的にゆるめないとなかなかできません。いくつか方法を持っておきましょう。
- 1人の時間を短時間でも作る
- 何をするとほっとできるか考えてみる 3つくらい
例:昼寝をする、ヨガや瞑想、お風呂にゆっくり入る、サウナなど
まとめ
疲労感はなかなかしつこいものですが、本来なら朝起きたときにすっきりとしているのが理想です。朝起きた時に今日の自分の体調はどうかチェックするのを忘れないでください。
疲労が強い日は無理をし過ぎないことも大事です。
カフェイン飲料を飲んで一瞬元気になったとしても、それはエネルギーの前借りになってしまいます。本来の体調を見ていきましょう。カフェインは睡眠にも大きく影響するため、眠りの質が良くなかったり、なかなか寝付けない方はまずはここから見直してみることをおすすめします。
ちょこちょこ甘いものが欲しくなる場合は、タンパク質の不足・血糖値の乱れの他、鉄不足もあるかもしれません。それらの理由からエネルギー切れを起こしているかもしれないので、タンパク質を中心にしっかりと食事をとるようにシフトしていきましょう。