栄養バランスがとれた食事が健康には必須!バランスを整えるためのポイント

私たちが毎日行っている食事は、「体に必要な栄養素を与える」という重要な行為です。そのため、健康を維持するためには体を動かすのに必要な栄養素を十分に摂取する必要があります。

しかし、毎日忙しく生活をしていると、どうしても栄養バランスにまで気を配れず、何となく食事を済ませてしまっているという方は多いのではないでしょうか?そこで今回は、食事の栄養バランスを整えるために重要なポイントについてご紹介していきます。

栄養バランスが整った食事とは?

健康を維持するためには、栄養バランスが整った食事をとることが重要ということは誰でも知っているでしょう。
しかし、栄養バランスが整った食事とはどのようなものなのか、理解している方は少ないのではないでしょうか?

そこでここからは、栄養バランスが整った食事について詳しく解説していきます。

体を動かすのに必要な栄養が整っている状態

私たちの体は、常に動いています。
体や臓器を動かすためには、それぞれ必要な栄養素があり、その栄養素は食事で摂取する必要があります。
その必要とされている栄養素をすべて摂取できる食事が、「バランスの整った食事」と言われるのです。

このような食事をとっていれば、体の中の機能が正常に働くため、健康な体を維持することができますし、さまざまな病気になるリスクを軽減することができたり、重症化する可能性を減らすことができるのです。

栄養はバランスが最も重要

健康を気にしている方の中には、「○○が体にいい」と聞いたら、それを摂ればより健康的になれると考える方もいるでしょう。
しかし、そればかりを食べていても、健康になれるわけではありません。

体に必要な栄養素がすべて含まれた食材は現時点では発見されていないため、さまざまな動物や植物から必要となる栄養素をバランスよく摂取することが重要となります。
この点を頭に入れて献立を考える必要があるでしょう。

人によって必要な栄養素は異なる

1日に必要となるエネルギーは、人によって大きく異なります。
人によって活動量や筋肉量は違うので、消費しているカロリーも変わってくるのです。
そのため、自分の活動に必要な栄養素を理解して、必要な量をしっかりと摂取することが重要となるのです。

自分の身長や体重・活動量・性別・年齢等で必要な栄養素を導き出すことができるため、まずはその点を把握することから始めてみるといいでしょう。

栄養バランスを整えるのに重要な知識

栄養バランスのよい食事をとるためには、まずは私たちの体に必要な栄養素について理解しておく必要があります。
そこでここからは、ぜひ覚えておきたい栄養素について見ていきましょう。

三食食品群

三食食品群とは、さまざまな食材を3つの分類に分けたものです。
この3食に属する食べ物をバランスよく食べることによって、十分な栄養素をとることができると言われています。

では、この3つに分類される食材の特徴についてご紹介していきます。

黄色:炭水化物

米やパン、麺、芋などの炭水化物は黄色のグループとなります。
黄色のグループの役割は、私たちが活動をする際に必要となるエネルギー源となることです。
炭水化物に多く含まれる糖質は、体内に入るとエネルギーに変換され、より活動的に動くために役立ちます。

しかし、自分の活動量以上に摂取してしまうと、エネルギーをすべて使い切ることができなくなり、脂肪として蓄えられてしまいます。
こうなると、肥満の原因となるのです。

ダイエットを行う方の中には、炭水化物を避けるダイエットを行う方もいますが、このような手法だと必要なエネルギーを供給することができず、活動量が極端に落ちてしまう可能性があります。
そのため、一定量は必ずとることが重要です。

赤:タンパク質

魚・肉・卵・乳製品・豆類などのタンパク質は赤のグループとなります。
赤のグループの役割は、筋肉や骨・血液を作ることです。

体内に入ったタンパク質はアミノ酸に分解され、さまざまな体の機能を作るために使われます。
この時に気を付けたい点は、さまざまな種類の食べ物からタンパク質をとるということです。

アミノ酸にもさまざまな種類があり、その種類によって効能も異なります。
アミノ酸がバランスよく摂れていなければ、体に不調が出たり免疫機能が大幅に低下する可能性があります。
そのため、日々異なる食品からタンパク質をとることを意識しましょう。

緑:ビタミン・ミネラル

野菜や果物・きのこ・海草などのビタミンやミネラルを豊富に含んだ食材は、緑のグループとなります。
緑のグループの役割は、体の機能を整えることです。

ビタミンやミネラルはさまざまなホルモンのバランスを整えたり、他の栄養素が体内に入った時の分解に利用されます。
そのため、欠かせない栄養素だと言えるでしょう。

その上、ビタミンやミネラルが豊富に含まれた食材は低カロリーなものが多いので、ダイエット中でもたくさん食べることができる点が魅力でしょう。

5大栄養素

5大栄養素とは、先ほど3つのグループに分けた栄養素をより細かく分類したものです。
三食食品群はもちろんですが、この5大栄養素を理解して献立を考えることによって、よりバランスのよい食事を作ることができるでしょう。

タンパク質

タンパク質とは、筋肉や内臓・皮膚や爪など私たちの体を構成するさまざまな部分を作ることができる栄養素です。
先ほども紹介したように、三食食品群の中では赤のグループに分類されます。

タンパク質には動物性と植物性の2種類があり、それぞれ持っているアミノ酸の種類が大きく異なります。
動物性タンパク質とは、肉や魚・卵・乳製品のことを指し、植物性タンパク質とは、豆腐や納豆・穀類を指します。
この両方の栄養素をバランスよくとることが重要となります。

脂質

脂質は体を動かすためのエネルギー源となったり、神経組織やホルモンなどを作るのに欠かせない栄養素です。
脂質は肥満の原因というイメージを持っている方も多くいますが、体を動かすのに必要な要素なので、全く摂らないと活動に支障をきたしてしまいます。

体の中に入った脂質は分解されて利用されるのですが、活動量以上に摂取してしまうと体内に蓄積されてしまい、脂肪に変わってしまいます。
そのため、摂取量をしっかりと理解して、普段の食事に取り入れる必要があるでしょう。

脂質に含まれる食材は、バターや植物油、ナッツなどです。
脂質によってその質も異なるので、量よりも質にこだわって選ぶとよいでしょう。

炭水化物

炭水化物も私たちが活動するために必要なエネルギー源となります。
そのため、炭水化物の多くは三食食品群の黄色のグループに属するものが多くなっています。

一言で炭水化物といっても、体の中で消化吸収される糖質と吸収されない食物繊維に分類されます。
糖質はすばやく体に吸収されるため、すぐにエネルギーに変換されて利用することができる栄養素です。

しかし、吸収できない量の糖質をとってしまうと、脂肪に変わるため摂取量に注意が必要です。
それに対して、食物繊維は吸収されないため、腸内にある有害物質を排出するのに役立つため、便秘を解消する効果もあると言われています。

それぞれ異なる働きをするため、どちらもバランスよく摂取することが重要です。糖質に該当する食材はご飯やパン・いも・麺類のことで、食物繊維に該当するのはさつまいもやこんにゃく・しいたけ等になります。

ビタミン

ビタミンとは、体の中の調子を整える働きを行う栄養素のことです。
三食食品群では、緑のグループに該当します。

ビタミンにも13もの種類があり、それぞれに働きが異なることが知られています。また、含まれている食材も異なるので、さまざまな食材から豊富な種類のビタミンを摂取することが重要となります。

しかし、1日に必要なビタミンの量は、他の栄養素に比べると比較的少なくなっています。
そのため、副菜や主菜で他の食材と一緒に調理することによって、手軽に摂取することが可能でしょう。
ビタミンが豊富に含まれた食材は、果物や緑黄色野菜があります。

ミネラル

ミネラルもビタミンと同様に、体の調子を整えたり血液や骨を作るために必要な栄養素となっており、三食食品群では緑のグループに属する食材が多くあります。
ミネラルもそんなに多くの量を毎日摂取する必要はないので、手軽にとることができるでしょう。

しかし、ミネラルは体の中で作り出すことができないため、必ず食事から摂取する必要があります。
そのため、必ず食卓に並べるようにしましょう。
ミネラルが豊富に含まれた食材は、乳製品やレバー・大豆となっています。

栄養バランスを見直す方法

栄養バランスのよい食事をとるためには、まず今の自分に必要な栄養素を知ることが重要です。
農林水産省が出している食事バランスガイドを見れば、今の自分にどれくらいの栄養素が必要なのかが分かるので、まず今足りていないものを確認するようにしましょう。

その後、何を満たせば栄養バランスが整うのかを考えて献立を立てるようにすれば、普段からバランスのよい食事をとることができます。
また、自分の食事を振り返った時にとりすぎている食材がある場合には、その品数や量を減らすことも重要です。
しっかりと栄養の知識を持った上で献立を考えることによって、普段の食事の栄養バランスを整えることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたか?食事は私たちが生きるために欠かせない行為です。
しかし、忙しい毎日の中では、なかなかそのバランスを考えて献立を考えられているという方はいないでしょう。

私たちの食べたものによって体が作られるため、そのバランスは意識しておくことが重要です。
今回紹介した栄養の知識は簡単なものばかりなので、できる範囲でそのバランスを整えて健康的な食事をとるように気を付けてみてくださいね。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰