なかなか解消しない更年期のひどい肩こり 食事との意外な関係

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

更年期の症状でよく知られいてるのはホットフラッシュやイライラなどですが、実は肩こりの悩みが一番多いと言われています。慢性的になってしまって、マッサージなどしてもなかなか良くならない肩こり。もしかすると食事のとり方も影響しているかもしれません。

肩こりがひどくなると目の疲れや頭痛・疲労感にもつながってしまうので、なるべく軽くしていけると良いですよね。
肩こりと食事に関係があるなんて意外かもしれませんが、ぜひチェックしてみてください。

更年期の肩こりの原因

肩こりの原因は様々で、姿勢不良・運動不足による筋力低下・過労・冷えによる血行不良・ストレス・加齢などがあげられます。

更年期は女性ホルモン減少の影響で自律神経のバランスが乱れやすくなり、血流が悪くなったり、筋肉が硬くなる、リラックスできないことも肩こりの原因になります。

自分でも気づかない身体の緊張

普段何かをしているとき、自分では気づいていなくても身体に力が入っていることはありませんか。緊張しているとき、仕事中、何かに集中しているとき、イライラしているとき、ストレスを感じる時などに、ぐっと肩に力が入っていたり、歯を噛みしめたり、息を止めたりしやすいです。集中力が高まっていて仕事が捗るなどメリットもありますが、長時間に及ぶと肩こりや身体の痛みが出やすくなります。

寒さを感じた時にも身体はストレスを受け緊張します。冬だけでなく、冷房で冷える、風が強い、朝晩の冷え込みなども体温を調節するために自律神経の交感神経ホルモンが働き、血管を収縮させ血流が滞ります。

糖質をとりすぎると身体の緊張が起こりやすい

血糖値は糖質を多くとると急上昇・急降下が起きやすくなります。

血糖値の急上昇・急降下は、アドレナリンという交感神経ホルモンを分泌させてしまうことにつながります。アドレナリンは戦うホルモンとも言われ、興奮・イライラ・血圧上昇・筋肉のこわばりなどを起こすため、肩こりや頭痛、不安感や焦りなど心にも作用します。

日中に血糖値の乱高下が起きると、眠っている間の血糖値も安定せず夜間低血糖を引き起こしやすくなります。

チェックはいくつ当てはまりましたか?2つ以上は要注意。

寝ている間の血糖値を維持するために、アドレナリンなどの交感神経ホルモンが分泌されると【眠っているのに身体は緊張状態】になってしまい、血管が収縮し血流が悪くなります。筋肉が硬くこわばり、肩や腰、首や顎関節、手指などの痛みやしびれが起きやすくなります。

カフェインは身体を戦闘モードにする

また、カフェインをとることでもアドレナリンが出るため、身体は緊張します。眠い時・だるい時に飲むとシャキッとするのはこのためです。

肩こりを解消するためには、身体に余分に力が入るのを避けたいのでカフェインを控えることをおすすめします。
まずは普段どんなものを飲んで過ごしているのか確認してみましょう。緑茶やほうじ茶・ウーロン茶などもカフェインを含みます。何気なく飲んでいる方は多いですが、肩こりのみならず不眠や疲労感にもつながるので、なるべくカフェインを控えることをおすすめします。

お水がおすすめですが、カフェインレスでもおいしいお茶はありますし、コーヒーが飲みたければデカフェのものに置き換えていきましょう。

ドリンク剤やエナジードリンク、ココアやチョコレートにもカフェインが含まれています。

肩こり解消にはリラックス+食事のとり方

リラックスは自分でつくる

知らずに肩や身体に力が入っているとしたら、意識してゆるめる必要があります。リラックスできるように身体に余分な力が入っていないか確認して、時々深呼吸やストレッチをしましょう。
ご自身のリラックス方法をいくつかピックアップしておくことも大事です。どんなことをすると身体と心がゆるみますか?

リラックスすることで副交感神経をONにして自律神経バランスを整えます。好きな香りや音楽もおすすめです。

肩こり対策の食事のとり方

身体の緊張を引き起こさないようにする食べ方のポイントは

  • 糖質(ごはん・パン・麺)だけを一度にたくさん食べない
  • タンパク質(肉魚卵豆)+野菜を一緒に食べる
  • お菓子やジュース・アイスの量と頻度を減らす
  • 食事を抜かない
  • 食事と食事の間があくようなら補食をとる
  • カフェインを控える

食事を抜くと次の食事で血糖値が急上昇しやすくなること、空腹時間が長いと血糖値の維持のために交感神経ホルモンが働いて身体の緊張を招くので、食事を抜かないようにしましょう。特に朝ごはんは1日の活動の始まりなのでしっかり食べましょう。


夕食の時間が早く眠る時間が遅い場合、寝ている間に血糖値が下がってしまうことがあります。(夜間低血糖)睡眠中にも身体に力が入り、朝起きた時の疲労感や肩こり・身体の痛みが出やすくなります。チェックリストで当てはまることがあった方は、眠る少し前に温めた豆乳やお味噌汁、温泉卵など温かいものを補食でとるのもおすすめです。

まとめ

肩こりは身体に常に力が入っていると起きやすいので、緊張する要素を取り除き、食べ方や飲み物のとり方も工夫して交感神経が働きすぎないように意識していきましょう。

若い頃は副交感神経の働きが高いため、多少の無理や夜更かしをしても一晩休めば疲れをリセットすることができますが、40代くらいから急激に副交感神経の働きが衰えはじめて、交感神経優位の状態になりやすくなります。自律神経バランスは様々な不調にも関わるため、更年期世代は気にかけて過ごしていきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰