40歳から早めに始める!老化を防ぐ骨密度対策 

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

更年期からは女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少することで骨の強度が下がり始めます。エストロゲンは骨や血管など身体中の組織にうるおいやしなやかさを保つはたらきをしているためです。

60歳以降の女性の骨粗しょう症の割合は、年齢が高くなるほど増える傾向にあり、60代では5人に1人、70代の3人に1人、80歳以上の2人に1人が骨粗しょう症といわれています。かなり多くの方で骨が脆く、骨折やケガのリスクが高いということです。骨粗しょう症があると背中が曲がったりお顔がたるむなど、見た目の急速な老け込みにもつながりますし、骨折やケガをすれば、その後の生活に支障が出てしまうことは明らかです。

早めに骨密度対策を心がけておくことで、長く元気に動ける丈夫な身体を維持していきましょう。

骨は40代でいかにキープできるかが鍵

年齢に伴う骨量の変化

骨量は10代の思春期に一気に増加し、20歳にほぼ最大量になります。10代からの食事や、運動経験なども骨量に関わります。
閉経後には骨量が急降下していくので、40代から骨量がなるべく減らないように対策しておくことがとても大事です。

骨密度が低下すると起きること

全身の骨の質に関わるのでいろいろなことが出てきます。美容面や歯にも影響が出てくることはあまり知られていないのではないでしょうか。

骨折や怪我のリスクが上がる

ちょっと転んだだけで骨折してしまう。膝や手首が痛む、腰痛などが起きやすくなります。
今はまだ想像できないかもしれませんが、背骨が曲がってきたり、いつの間にか身長が縮むこともあります。
背骨の軟骨(椎間板)が弱り、押しつぶされることで起きますが、筋肉の少ない女性では体幹の筋肉が少なかったり、筋力が弱いことから、姿勢の保持・背骨の保持をしにくいことも原因のひとつです。

顔が老化しやすい

顔の骨が縮小してくることで、肌のたるみやシワにつながります。
骨密度の減少は30代からすでに始まっており、顔の骨の痩せが始まってくるのも30代くらいからです。 骨は顔の土台となるとても重要な部分なので、痩せて縮むとその上の筋肉や皮下脂肪・皮ふの真皮・表皮も崩れていってしまいます。 土台がしっかりしていなければ、上にいくほどに影響が大きくなります。

老化によって起きやすい、お顔のしわやたるみの変化

歯が衰える

歯も骨なので、骨密度が低下すれば影響が出てきます。歯の土台となって支えている歯槽骨も脆くなり、歯を支えることができなくなって歯を失うリスクが高くなります。女性ホルモンのエストロゲンには歯周組織の炎症を抑える作用もあるので、閉経後は歯周病が悪化しやすいということもあります。

歯を失うと噛んで食べることが難しくなり、やわらかいものを選ぶようになるため食事が偏りやすくなります。そうなると必要な栄養素が不足し、不調や病気につながりやすいという負のループになってしまいます。歯が弱ることをオーラルフレイルと言い、全身が衰えるフレイル(虚弱)の前段階として、歯科から予防していくことが提唱されています。

骨を維持する食事

タンパク質をとる

骨と言えばカルシウムが有名ですが、骨はカルシウムだけでできているわけではありません。骨の土台、コンクリートでいうと鉄骨の部分をコラーゲンが支えています。コラーゲンは、タンパク質+鉄+ビタミンCから合成されるので、肉や魚介類・卵・豆製品などタンパク質を中心に食事をとっていくことが大事です。
女性では長年の生理や妊娠・出産・授乳で鉄不足の状態の方がとても多いので、鉄についても意識しておきましょう。レバーや赤身肉などの動物性タンパク質に含まれています。

マグネシウムやビタミンDをしっかりとる

その他、骨を作る時にはマグネシウムやビタミンD・Kなども必要です。特にカルシウムとマグネシウムのバランスが大事で、カルシウムばかりを気にして多くとっても、一方でマグネシウムが不足してしまいます。カルシウムもしっかりとりつつ、マグネシウムも一緒にとるようにしていきましょう。ストレスやカフェイン、アルコールなどの利尿作用のあるものを多く取っていると、尿に排泄されてしまうため、出ていくのを防ぐことも意識したいところです。

カルシウムは乳製品だけでないので、マグネシウムも一緒にとれるものを選んでいきましょう。

ビタミンDは骨の合成のときに必要なビタミンです。日光に当たることでも合成できますが、材料としてコレステロールが必要です。低脂質の食事を心がけすぎていたり、タンパク質不足だとコレステロール不足になってしまうので、基本的にタンパク質をしっかりとるようにしていきましょう。ビタミンDを多く含むのも魚介類などのタンパク質です。

きのこ類にも含まれますが、魚介類に含まれるビタミンDの方が身体の中で活用されやすいです。

糖質のとりすぎにも注意

糖質を過剰にとっていると、血糖値が高くなり身体の中で糖化反応が起こります。糖化反応はコゲ(AGEs)とサビ(活性酸素)を両方発生させ、身体の中を老化させてしまいます。骨も糖化することで老化し脆くなってしまいます。

まとめ

骨の材料もやはり栄養なので、閉経前から栄養をしっかりとっておくことをおすすめします。糖質(ごはん・パン・麺類、お菓子やジュース・果物)を多くとっていると、どうしてもタンパク質(肉魚卵豆)は不足傾向になってしまうため、骨の土台も弱くなり丈夫な骨を作ることができません。糖質中心から、タンパク質中心の食事にシフトしていきましょう。

運動することでも、骨の合成のスイッチが入るので簡単でも良いので身体を動かすようにしましょう。まだ閉経する前のプレ更年期では女性ホルモンのはたらきが骨形成の後押しをしてくれます。早めに取り組むことでなるべく骨を丈夫に維持しておきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰