「私もう更年期かも?」生理が来ない30代・40代女性に見直してほしい食習慣

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

更年期とは、生理が完全に停止する閉経の前後5年間、合計10年くらいの期間のことを指します。

閉経の時期は40代後半~50代前半が一般的ですが、個人差が大きいため40歳頃に迎える人もいれば、60歳近くまで月経が続く人もいます。平均は52.2歳という調査結果も出ています。(Japan Nurses’ Health Study)

生理が来ない=更年期とは限らない

閉経の時期は個人差が大きいとはいえ、30代後半~40代前半で閉経というのは少し早いので、もしかすると何等かの理由で無月経や生理不順の状態ということが考えられます。もし「生理が最近来ないな、更年期なのかも」と思う方はまず婦人科の受診をおすすめします。

現在、食習慣プログラムに参加の44歳のAさんは「生理が止まっているので、私はもう更年期だと思う」と仰っていました。婦人科を受診してもホルモンバランスには問題ないと言われたそうで、それならなんで生理が止まっているのか、という疑問が出てきました。

食事を変えたら、生理が再開した

私の主催する【プレ更年期からの食習慣プログラム】の中でAさんに取り組んでいただいたこととしては、まずタンパク質量を増やしてもらいました。1日に必要なタンパク質の量を知り、食品からとるには何をどのくらい食べたら良いのかまで理解すること。例えばお肉なら1食に何g食べたら良いのかなど目安を覚えます。そして毎日の食事の中で取り入れていくことを実践してもらいました。

基本は肉・魚介類・卵・豆・豆製品を食事でとります。乳製品はメイン料理にならないのと、カゼインが腸の粘膜に影響するため、し好品として扱いましょう。

必要なタンパク質の量がわかっても、今まであまり意識してこなかった場合、すぐに食べられるとは限りません。「とてもそんなには食べられない」と言われることも多いです。ごはんやパン、麺類やお菓子などの糖質は多く食べられるけれど、肉や魚、卵、豆製品をしっかり食べることに慣れていないので、消化が追い付かず胃もたれや下痢・便秘・ガスが溜まるなどトラブルが出る方もいるくらいです。または食欲がわかなくて思うように食べられないということもあります。

胃酸や消化酵素もタンパク質から作られているので、これまでタンパク質の摂取量が少なかった方は消化力が弱く、急にたくさん入ってきてもキャパオーバーになってしまいます。

Aさんはそれでも毎日少しずつタンパク質を増やすよう意識していき、2か月目に生理が再開したと、うれしい報告を頂きました。

他にも変化を感じたとのことで、髪の毛のツヤ、肌の質感、家族がコロナになっても自分は大丈夫だったなど、「タンパク質をコツコツとってきた成果かも!」というお話をしてくれました。

管理栄養士から見た生理の再開

今回の報告から、「もう閉経かも…」と思っているプレ更年期世代(30代~40代前半)の方は、食事・栄養の過不足などから生理が止まっているだけかもしれない可能性があると考えました。

身体の中でどんな変化があったのかを考察してみると、ホルモンバランスの変化や、タンパク質が充足してきて、同時に身体に必要な脂質やビタミン・ミネラルも一緒にとれたことが、生理再開につながったのではないかと思います。

生理を起こすには、女性ホルモンの分泌の周期や量の変化が必要ですし、子宮内膜(粘膜)が剥がれ落ちて、血液と共に出ていくという一連の流れがあります。

女性ホルモンの材料にはコレステロールが必要で、コレステロールは動物性のタンパク質に含まれています。子宮内膜の粘膜の材料はコラーゲンで、コラーゲンはタンパク質・鉄・ビタミンCからできています。古い細胞を表面に押し上げ、細胞を入れ替えるにはビタミンAやD・亜鉛なども必要です。出血すると赤血球の材料である鉄とタンパク質を失います。

このように、1度の生理には多くの栄養素が必要なことがわかります。長期的に身体に必要な栄養素が不足傾向だと、生理が止まってしまったり、不順になってしまうこともあり得ると考えられます。

その他、生理不順の原因としてはストレス・疲労・環境の変化、無理なダイエット、痩せ、肥満、薬の影響などがあります。
卵巣の病気や甲状腺ホルモンの異常、自律神経失調などが隠れていることもあるので、やはり早めに婦人科で診てもらうことをおすすめします。

まとめ

プレ更年期(30代~40代)から生理周期の乱れが出てきたら、まず受診をしましょう。その上でぜひ食事にも取り組んでいきましょう。
基本的なタンパク質やビタミンやミネラルなど必要な栄養素をとることは、身体をつくることや、身体の中のはたらきを正常に行うために欠かせません。閉経前後は女性ホルモンの分泌が不安定になる影響で不調も出やすいですが、やはり食習慣も大きく関係しています。早いうちから食事・栄養をしっかり摂ることで身体を良い状態にキープしておき、更年期も元気に過ごせるよう対策していきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰