管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこです。(@nourish.hibi)
「年末年始ってつい食べすぎちゃう」
「気づいたら+3Kg!」
クリスマス、忘年会、年末、お正月、新年会・・・イベント事が多いので、いつもと違うおいしいものを食べる機会が増えます。楽しい時間でもあるのですが、1年の中でも年末年始は体重が増えやすい時期で、一度増えてしまうとなかなか元に戻りにくいのです。
毎年これを繰り返していると、年々体重が右肩上がりになってしまいます。更年期以降は特に体重が減りにくいので年末年始は気をつけて過ごしていきましょう。正月太りを防いで、適正体重をキープしていく食べ方を身につけましょう。
正月太りの原因と理由
年末年始に多い食事のパターン
年末になると、クリスマスや忘年会など、パーティーメニューや外食が増えます。一緒にジュースやアルコールなどドリンク類もとることが多いので、カロリーオーバー・糖質過多になりやすいです。
新年はおせち料理やお餅を食べることが多く、ゆっくり過ごしていると間食も増えがちになります。おせち料理は甘い味付けだったり、タンパク質の量が少な目になりやすいです。お雑煮・お汁粉などお餅を食べるのもお正月の特徴です。
増えた体重が減りにくい理由
食べすぎが年末から続き、リセットする前にまた食べすぎてしまうことがあげられます。
更年期女性では、運動習慣がなく筋肉量も少ない方が多いので元々の消費エネルギー量が少ないです。その上、いつもより量を食べすぎたり、糖質メニューを多く食べて血糖値が急上昇し、インスリンというホルモンの作用で余った糖質が脂肪に変わるため体脂肪が増えやすくなってしまいます。
また、糖質や塩分を多くとると浮腫みやすくなるため体重が増えます。水分は重いので、急に体重が増えた場合は浮腫みである可能性が高いです。女性は生理周期の影響や、日ごろのタンパク質の摂取量が少ない人はより浮腫みやすくなります。
自分の体重を直視せずにいると、食事を見直すこともなく体重は増え続けてしまいます。体重計にはどのくらいの頻度で乗っていますか?【計るだけダイエット】というダイエット方法があるくらい、日々の体重を確認することは大事なのです。体重が昨日より急に増えて「浮腫んでいるな」と思ったら、食事で糖質・塩分を控えるようにしましょう。
体重増加を予防する食事のポイント
太りにくい料理の食べ方
おかずから食べます。タンパク質や野菜を十分に食べてから、後半でご飯を食べるようにします。パンや麺など小麦ではなく基本はご飯をおすすめします。パンや麺の時はおかずなしで食べることができてしまうので、身体に必要なタンパク質が確保しにくく血糖値も急上昇しやすくなります。
砂糖の多い煮物や酢の物などは、よく噛んでゆっくり食べます。お餅はカロリーが高く糖質量も多いので、食べすぎには気をつけましょう。お餅はよく噛んで食べないと消化不良にもなりやすいです。
太りにくいデザート類の食べ方
食事でタンパク質・野菜をしっかり食べた上で食べるようにします。
デザートは量を多くとると血糖値が急上昇するので、できたら半分に分けて食べます。だれかと半分こにするのも良いですし、2回に分けて食べるのも良いでしょう。また、小麦製品も血糖値の急上昇につながるので、なるべく小麦製品でないものを選べると良いですね。
冬と言えば、ミカンをたくさん買ってあるお家も多いですが、果物も血糖値が上がりやすいので食べる量には気をつけましょう。果物=身体に良い、多く食べて良いわけではありません。
夕食後にデザートや果物を食べる習慣があると体重が増えやすいので、食べるなら日中をおすすめします。また、日中にお菓子類を食べてお腹があまりすいていないから、と3食の食事を簡単なもので済ませがちです。さらにまた糖質メニューになってしまうことが予測できます。糖質に糖質を重ねると太りやすくなるので悪循環にならないようにしましょう。
太りにくい飲み物の飲み方
一番おすすめの飲み物はお水ですが、イベント時などはジュースやお酒を飲むこともあると思います。ジュースは果汁100%であっても糖質が多い上に、液体だと血糖値が急上昇しやすいので知っておいてください。何か飲むのなら無糖の炭酸水がおすすめですが、やむをえず甘い飲み物を飲むなら、一気飲みしないこと、何杯も飲まないことです。
お酒を飲む方はゆっくりペースでいただくようにしましょう。お酒の種類はビールやカクテル・日本酒など糖質が多いものより、焼酎・ウイスキー、ワインを選ぶようにしましょう。いずれにしても、アルコールをとることでカロリーオーバーになり、アルコールの処理にはビタミン・ミネラルがたくさん消費されてしまうので量は控えめにできると良いですね。
コーヒーや紅茶・ココアなどのカフェイン飲料で甘いものも太りやすいです。カフェインはその他、緑茶・ほうじ茶・玄米茶などにも含まれていますが、自律神経が交感神経優位になるため、糖質メニューを食べた際に、さらに血糖値が上がりやすくなるというデメリットがあります。毎日の習慣で飲んでいる方はカフェインをどのくらいとっているか見てみてください。
甘酒・乳酸菌ドリンク・お酢のドリンク・ゆず茶など、健康に良さそうな飲み物も砂糖またはブドウ糖果糖液糖が含まれていますので気をつけましょう。
更年期の正月太りが戻りにくい理由
若い時は食べる量を減らすと体重はすぐに減ったかもしれませんが、更年期世代では食べる量を減らしても体重が減りにくいです。身体の中の働きが低下していることや、エネルギー消費量が低下していることも理由です。
食べる量を減らすことで必要な栄養素が不足して筋肉が分解される一方、体脂肪はそのままという逆効果になってしまうので、欠食したり、野菜しか食べない、豆腐しか食べないなどはしないようにしましょう。さらに太りやすくなってしまいかねません。
更年期の正月太りが戻りにくい理由として、正月明けは胃腸の不調が出やすいことがあります。年末年始の食べすぎから、胃腸の疲れを感じてくるとタンパク質メニューが食べられなくなり、食べやすい糖質メニューに偏りがちになります。
加えて胃腸が不調になると免疫力が低下して風邪などの感染症にもかかりやすくなります。風邪などをひいた時は、やはり食欲が落ちて糖質メニューに偏ります。体重増加に不調が重なり、食事がもとに戻せないまま体重が定着という悪循環になってしまうことが考えられます。
食べる量を減らすダイエットは筋肉が落ちてしまい逆効果ですので、正月太りを解消する時にはタンパク質メニューを中心に野菜を多めにして、糖質をとりすぎないよう心がけましょう。
まとめ
年末年始にたくさん食べても、罪悪感を感じることなく体重も維持していけたら最高ですよね。何を食べるのかで大きく違いが出てきます。まずは体重の増えやすいメニュー・増えにくいメニューを知ることです。
そして、こまめに体重計に乗って今日の体重を確認してください。増えていたら昨日は何を食べたのか、何で増えたのかを自分なりに考えてみましょう。そうすることで、食べすぎが続くのを防ぐことができます。
「ちょっと食べすぎたな」と思ったら、食後すぐに10分散歩や、家の中で踏み台昇降やスクワットをするのも、血糖値の急上昇を少し防ぎ、体脂肪が増えるのを防ぐことになるのでおすすめです。寒い時期ですが、簡単でも良いので食べたら身体を動かしましょう。
お正月明けに増えた体重は速やかにリセットし、身体が重い・だるいなど不調なく元気に動けるように意識していきましょう。