「夕方むくんだ足がだるくてつらい!」更年期のむくみを解消する食べ方

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

女性で多いお悩みのひとつに、足のむくみがあります。特に夕方になってくると、ふくらはぎがパンパンになって靴下の跡がついてしまったり、靴がきつく感じたり。

足のだるさはとりあえず我慢できるかもしれませんが、いつもだと気になると思います。むくまず、いつも軽くてほっそりしていたら快適ですよね。

今回は足のむくみを解消するための食事についてお伝えしていきます。

足のむくみの原因

足のむくみについては「立ち仕事だとなりやすい」「冷えている」「リンパの流れが悪い」「水分代謝が悪い」「塩分のとりすぎ」「老廃物が溜まっている」などがよく言われていることです。

着圧ソックスを履いたり、リンパマッサージやツボ押しなど、セルフケアをして一時的には楽になっても、次の日はまた同じ状態になっていたり、あまり効果を感じなかったりしませんか?

むくみは身体の中の水分のバランスが乱れて、余分な水分が溜まった状態のことをいいます。

人の身体は約60%が水分で、そのうちの40%が細胞の中、20%が細胞の外側にあります。細胞の外にある水分を【細胞外液】といいます。細胞や血管の中を行き来して、栄養を届けたり老廃物を取り除いたりする役割をしています。

足の血管では、血液は重力に逆らって心臓に向かって流れていますが、足の筋肉がポンプの役割をしているため、筋肉が少なかったり、同じ姿勢が長く続くとポンプがうまく働かず、血流が滞ってしまいます。

そうすると血管内の圧力が上昇して、血管内から水分がしみ出してしまい、細胞外に増えてしまうことで足のむくみになってしまいます。

足のむくみが起きる病気もある

むくみが出る病気もあり、心臓病、腎臓病、肝臓病、ホルモンの異常、アレルギー疾患などが原因で起きることもあります。

・一日中むくんでいて、何日もひどい状態
・痛みがある
・足の血管がぼこぼこと浮き出ている
・脚以外にも、顔やまぶたもむくんでいる
・最近体重が急に増えた
・尿量が少ない気がする

このようなことが思い当たるようなら、まずは病院の受診をおすすめします。

栄養の過不足が足のむくみの原因

むくみの原因として栄養も関係があります。
高齢の方では足がむくみやすいのですが、血流やポンプ機能の低下と共に、全身の栄養状態が低下することが原因の一つです。

高齢でなくても栄養状態が低下しているということがあります。飽食の時代ですから、食べ過ぎには気をつける方が多いですが、実は栄養が不足している【隠れ栄養失調】の可能性もあります。ちゃんと食べているつもりでも、身体に必要な栄養がとれないものを多く食べているかもしれません。

太っているか瘦せているかでは栄養状態はわからないのです。自分でも自覚なく、身体に必要な栄養が不足していることもあります。

むくみが出やすくなる食事のとり方は

  • タンパク質(肉魚卵豆)の不足
  • 糖質の過剰
  • 塩分のとりすぎ
  • アルコール

タンパク質の不足

食習慣というのは積み重ねで、毎日何を食べているのかで身体が作られています。
タンパク質(肉魚卵豆)を意識していない限りは、糖質中心の食べ方になりやすいです。世の中全体が糖質に溢れているため、食べやすいものを食べていると糖質に偏ってしまいがちです。

タンパク質と糖質のバランス

タンパク質は毎日とる必要があり、食べ貯めすることができません。長期的に摂取量が少ないと身体の栄養状態が低下してしまいます。

タンパク質を構成しているのはアミノ酸(20種類)ですが、その中でも【アルブミン】というアミノ酸は血液中に多く存在していて、血管内に水分を保持する役割を担っています。

アルブミンが少なくなると水分を保持できないため、血管の外へと水分がしみ出してしまい、むくみに繋がります。高齢者ではアルブミンが低値になるとむくみが出やすいため、介護施設などではアルブミンの検査データを見て栄養管理がなされています。

糖質の過剰

糖質は筋肉や肝臓にグリコーゲンとなって貯蔵されているのですが、グリコーゲンの分子1つに3~4倍もの水分がくっついているそうです。糖質制限をすると痩せると言われているのは、実は水分が減っただけかもしれません。

お菓子やジュースなどが欲しくなり糖質が過剰になるのは、3食の食事でタンパク質や野菜などが少ないことが元になっているかもしれないので、まずは3食、肉・魚・卵・豆類のどれかを食べることを意識しましょう。注意事項として、糖質はエネルギー源として大事なので、自己流でむやみに減らしすぎないようにしましょう。

糖質の過剰になりやすい食べ方

塩分のとりすぎ

塩分をとり過ぎると喉が渇きますよね。身体の中では細胞外液にはナトリウム・細胞の中にはカリウムが多く、細胞の中と外の濃度を一定に保っています。塩分=ナトリウムが増えると細胞外液が濃くなるため水分が必要になります。

また、血液中の水分が多くなり過ぎて血管内の圧力が上昇して、水分が血管外へしみ出すことでむくみの原因になります。

アルコール

アルコールには利尿作用があり、一時的に身体の水分が不足します。するとのどが渇いて水分を欲します。また、アルコールを飲むときには塩分の濃いものを一緒にとることも多いので、塩分+水分でむくみやすい状態になります。

むくむと体重が増える、そして冷える

足がむくむと、水分が溜まっている状態なので体重が増えやすくなります。そんなに食べていないのに体重が増加傾向な方はもしかするとむくみが原因かもしれません。

水分が溜まるということは、血流もあまりよくないため冷えやすくなります。「足が冷えてしょうがない」という方もむくみ対策として、食事でタンパク質を中心に食べるようにしていきましょう。

むくみを予防するには まとめ 

食事の内容を、糖質中心からタンパク質中心に切り替えていきましょう。身体から余分な水分を排出してくれる作用のあるカリウムをとることもおすすめです。カリウムは野菜や海藻に多いです。生鮮食品に多く、加工食品には少ない(加工すると出ていってしまう)ので、なるべく新鮮なものを食べるようにしましょう。

食事以外では、お風呂に入って温めたり、お灸やツボ押し、マッサージももちろんおすすめです。足を動かし、ふくらはぎの筋肉のポンプを使うようにしたいので、しっかりとした運動でなくても、足の甲の曲げ伸ばしだけでも意識してやってみてください。

足の甲の曲げ伸ばしをすると、ふくらはぎの筋肉ポンプがはたらきます。

むくみ=老廃物と考えて、汗をかくことや断食、玄米菜食、酵素ドリンク、サプリなどデトックスのことを考えて食事量を減らすよりも、まずは基本の食事をしっかりとることから取り組んでいきましょう!

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰