リラックスする方法『「今ここ」神経系エクササイズ』 浅井咲子(著)

「おいしくて楽になる」は、「ゆるめる」ことをテーマにしているので緊張を解く方法もいろいろ提案していけたらと思っています。

こちらの本は、ポリヴェーガル理論に基づいたエクササイズと、神経の働きを図解でわかりやすく解説してあります。

ポリヴェーガル理論については私も勉強中でむずかしいのですが、この本はとてもわかりやすかったです。

ポリヴェーガル理論とは

行動神経学者のS.w.ポージェス博士が提唱。ポリ=複数の、ヴェーガル=迷走神経 

「複数の迷走神経」という意味です。

副交感神経には背側迷走神経と腹側迷走神経があり、
背側迷走神経は原始的なはたらき
・リラックス、消化を促す
・危機に瀕した時に呼吸や心拍を極端に落とし、シャットダウンを起こさせる=フリーズさせる

腹側迷走神経は安全と交流ができるようなはたらき
・人間は哺乳類の中でも、仲間とコミュニケーションをとることが特徴で、様々な表情や声を使い分けることができます。
 
 

自律神経のバランス

自律神経のバランスを崩すと、いろいろな不調が出やすくなります。自律神経失調症とも言われます。

自律神経は交感神経(興奮、車のアクセル)と副交感神経(リラックス、車のブレーキ)があり、身体を調節しています。

交感神経は  興奮・緊張  心拍数↑ 血圧↑ 呼吸↑ 胃腸のはたらき↓
副交感神経は リラックス  心拍数↓ 血圧↓ 呼吸↓ 胃腸のはたらき↑

天秤のように、バランスをとっています。

交感神経が優位だと、胃腸のはたらきが落ちるので
「なんだか食欲がない」
「お腹がすかない」
「集中していて食べることを忘れていた」
「食べたけど胃もたれする」
ということがあります。

この状態だと、せっかく食べたものがうまく消化吸収できません。
ということは、栄養が入っていかない。

また、「食欲がない」となると、
食べやすいもの=さっぱりしたものや炭水化物系に偏ります。

例えば、暑い時に「かんたんに、そうめんでいいや!」とか
「時間がないからおにぎり(パン)でいいや」となりがちです。
そうすると、身体に必要な栄養が不足してしまいます。

知らないうちに「ねばならない」になっていないか

交感神経のはたらきが強い人は、常に緊張していて、神経をはりめぐらせているので、すごく疲れてしまいます。

いつも疲れている、寝ても疲れがとれない、体力がない、という人は
自分が緊張している=交感神経優位 かもしれないと考えて
ゆるめることを意識しましょう。

まじめで、「もっと〇〇しなきゃ」「〇〇でなければならない」
「ねばならない思考」の人は心も身体も緊張していることが多いです。

ゆるめることを意識しても、やろうと思うとなかなかむずかしいものです。
食事の内容も身体の緊張に関係しますが、食べたものを消化吸収して使えるように、まずは考え方をゆるめていきましょう。

気持ちとからだをゆるめる

栄養の勉強をしていて行きつくところは「いかに、食べたものを消化して吸収して使えるか」
実は消化吸収があまり良くない私は緊張が強めでした。
また、カウンセリングをしていても緊張が強い方が多くいらっしゃいます。無自覚だったとしても、知らぬ間に緊張しているということもあります。

「はるちゃんのおにぎり」の絵本が冒頭にあり、ストーリーの中に神経系を整える動作が隠れています。
子供でもできるようになっていて、とてもかんたんです。
心と身体をゆるめたい方はぜひ読んでみてください。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰