見た目年齢にも影響大!口元の印象と栄養の関係

管理栄養士・栄養カウンセラーのひびようこ です。(@youkohibi)

40代になり更年期が視野に入ってくるにつれ、見た目でも気になることが出てきます。肌の悩みや髪の毛の質、体型などはもちろんですが、意外と年齢が出てしまうのが口元です。

肌も髪の毛も体型も、もともとの土台は食事です。体はすべて栄養から作られるからです。その次にお手入れや運動など、外から働きかけたことが効果を表します。

では口元はどうでしょうか?
口元の見た目というと、歯並びや形、歯の清潔さ、唇の状態、口の周りのしわや肌のハリ・しみなど、「口元」と一口で言ってもいろいろな要素があります。

マスクを外した時の印象

コロナでマスク生活に慣れてしまった私たち。呼吸が浅くなったり、表情を大きく作る必要もなく、口を大きく開けて笑ったり、話したりすることが少なくなってしまいました。

表情筋の衰えによって、ほうれい線が深くなる、口角が下がる、口呼吸で口が開いてしまうなど、自分でも気づかないうちに進んでしまっているかもしれません。表情やしわ、口元や顎回りのたるみなどは見た目年齢に大きく影響します。

また、マスクの中の肌荒れも気になるところです。顎・口の周りの吹き出物、唇の乾燥、摩擦による肌荒れ、マスクの日焼けなどはありませんか。

これからマスクを外していくにあたり、健やかで若々しい口元に戻していきましょう。そのためにもやはり栄養も大事になってきます。

お口と栄養について

お口の健康と栄養が関係していることはあまり知られていませんが、近年、歯科でも栄養が大事ということが広がってきていて、歯医者さんで食事指導を行っているところも増えています。

お口の中のほとんどがタンパク質

口の中は、歯(骨)と粘膜でできています。骨の土台もコラーゲンなので、やはりタンパク質が必要です。(コラーゲンはタンパク質+鉄+ビタミンCから作られます)

そして、口の中の細胞の入れ替え(ターンオーバー)はとても早く、わずか数日とも言われています。入れ替えが激しいということは、もしも材料が不足して新しい細胞をうまく作れなかったら、歯茎が衰えたり、舌が荒れたり、口内炎ができたりトラブルにつながりやすいということです。

虫歯と甘いもの

「甘いものは虫歯になる」のはよく知られています。砂糖以外でも、炭水化物(ごはん・パン・麺)がメインの食事をしていると虫歯のリスクが上がります。糖質中心で食べているとタンパク質がどうしても少なくなる傾向があるので、お口の材料不足+虫歯リスクの両方になってしまいダメージが大きくなってしまいます。

糖質中心の食事から、タンパク質中心の食べ方にシフトしていきましょう。そして虫歯リスクの高い、口の中に長く留まる飴や甘い飲み物は控えていきましょう。

ドライマウスと歯周病リスクが上がる更年期

口の中がなんだか乾くのはドライマウスかもしれません

更年期は唾液量が減ってきてドライマウス(口腔乾燥症)になりやすいといわれています。50代以降になりやすいとされていますが、若い年代でも起こりうることです。

原因として、ストレスや忙しさ、ホルモンバランスの乱れなどがあります。特に自律神経のバランスが乱れて交感神経ホルモンが多くなってしまうと、唾液の分泌が減るとも言われています。

「更年期は女性ホルモンが減ることでいろいろな症状が出る」と思われがちですが、女性ホルモンのアンバランスは自律神経系のホルモンにも影響を与えます。更年期症状の多くは自律神経失調症の症状と同じであったりします。

唾液にはたくさんの役割があるので、唾液が減ると様々なことが懸念されます。

唾液の役割

  • 口の中のpHの変化を調整する
  • 自浄作用
  • 免疫機能
  • 消化酵素
  • 味覚
  • 飲み込みやすくする
  • 粘膜の保護
  • 組織の修復

唾液の成分は99.5%が水分で、残りの0.5%がタンパク質とミネラルです。唾液は1日に1000ml~1500mlと意外と多く分泌されているので、割合は少ないですがタンパク質やミネラルの不足があると唾液にも影響します。

毎日歯磨きをしているのに。まさか自分が歯周病?

歯の土台の歯槽骨も溶けてきて、歯を支えることができなくなっていきます。

口の中が十分に潤っていないと、虫歯や歯周病菌が繁殖しやすくなるためリスクが上がります。歯周病は歯周ポケットに炎症を起こしてしまいます。歯や歯茎にダメージを与えるだけでなく、歯を支える骨も溶け、最終的に歯を支えることができなくなれば多くの歯を失うことになります。

歯周病菌の毒素は血液に乗って全身に影響を及ぼします。広げてみると手のひら一つ分の炎症になるので、大きな炎症が慢性的にある状態です。慢性炎症は生活習慣病(肥満、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病、非アルコール性脂肪肝炎など)に関係していることがわかってきています。更年期で生活習慣病にならないようにするには、歯周病予防をすることも大切なポイントです。

ドライマウスや歯周病では口臭も発生しやくなります。歯磨きと歯科での定期メインテナンスでケアをしていきましょう。歯科に通っていれば、歯茎のポケットの中もキレイにしてもらえますし、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療ができます。

歯に着色しやすい食べ物・飲み物

年齢とともに、歯の着色も気になってくるところです。歯が白いと若々しく清潔感を印象づけることができます。着色しやすいものを控え歯のケアを行っていくこと、歯科でのホワイトニングもおすすめです。

気をつけたいものは、まずはタバコです。コーヒー・紅茶・ウーロン茶・緑茶などの飲み物、食べ物ではソース・ケチャップ・赤ワイン・カレー・キムチ・着色料の使われているもの・ブルーベーリーやザクロなどが着色しやすいです。

着色補助食品といって、直接着色させないけれども着色を増長させてしまうものもあります。口の中を酸化させ歯の表面のエナメル質が溶けやすくなるため、着色しやすいものを一緒にとると着色しやすくなります。アルコール飲料・炭酸飲料・スポーツドリンク・柑橘類・クエン酸・ほうれん草などは、一緒に食べたり飲んだりするものに気をつけましょう。

表情と肌の印象も大きい

あいうべ体操は舌の筋肉や口元の筋肉が鍛えられる体操です。口呼吸の改善、顔のたるみやしわを防ぐ、脳の血流UPなどの効果が期待できます。気づいたときにやってみましょう。1日に10回×3セットがおすすめです。

口元のしわやたるみ、口角なども見た目年齢に大きく関わります。顔ヨガやあいうべ体操など、口元のトレーニングもおすすめです。(肌を強く擦るマッサージはNG)

表情筋や肌・唇も、タンパク質でできていますから、食事でしっかりとっていきましょう。

まとめ

思っているより見た目年齢に口元の印象が影響しています。お口の中と歯のケアは年齢と共により念入りに、プロ(歯医者さん)の力も借りながら行っていきましょう。更年期に歯周病になると治りづらく、進行していってしまうので歯周病予防を意識していきましょう。

口元のトータルケアには普段の食事と栄養が大きく関係しています。食事でタンパク質をしっかりとることを心がけることは、見た目年齢にも変化をつくっていけるということです。よく噛んで消化吸収も高めながら、おいしく笑顔で食事をしていきましょう。

この記事を書いた人

ひびようこ

管理栄養士・分子栄養学 栄養カウンセラー

一生ものの食習慣を半年で身につける
プレ更年期・更年期のための食習慣プログラム主宰